今月の通信に書いた進路についての記事は、こんな感じ。
例年、8月~11月にかけてのこの時期は、公立・私立の各高校が学校説明会などのイベントを開催しています。
しかし今年はコロナの事情もあって説明会が中止になる場合も多く、その代替として、オンラインの相談会が用意されたりパンフレットが配布されていたりするようです。
「動画で校内の様子も見れるようだし、それで雰囲気もわかるよね」
「長い説明会に参加しなくてもパンフをダウンロードできるならそれで十分」
「高校まで行って参加するとなんだかんだで1日潰れるから、手間が減って大助かり」
なんて歓迎する向きも多そうですが、でも一方で「実際に現地に行く機会が失われた」という点においては、ちょっと代替がきかないようにも思ったりもします。
これまで、説明会や面談などの場で『高校選び』の話を何度となくしてきていますが、私がよく話すのは「高校に行ってからの時間の過ごし方がどうなりそうか」という点です。
特にシグマゼミ周辺の地域は、地下鉄から離れた場所にあるため、新川・国際情報・琴似工業あたりの数校を除いては、通学に結構な時間がさかれます。
先日耳にした私立高に通う卒業生の1日の生活の様子はいうと、おおむねこのような感じでした。
6時 | 起床 |
7時 | 家を出る |
8時 | 学校着 |
9時 ・ ・ ・ | 授業 ・ ・ ・ |
16時 | 部活開始 |
19時 | 部活終了 |
20時 | 帰宅 夕飯 風呂 などなど |
この1日の動きの中に、「英語や古文の予習」が入り、「数学の提出課題」が入り、「小テストの勉強」が入り、場合によっては「部活の朝練」や「大会の日程」が組み込まれることになります。
そして、学校や担当の先生が何を重視しているかによって、この配分がかなり変わります。
学校によっては「強化指定の部活は授業よりも優先」というところもあるでしょうし、学校によっては「毎日なんらかの科目で課題が出される」というところもあるでしょう。
それから、中学生は忘れがちですが、通学にバスでの移動が多い場合は、夏の登下校に片道1時間かかっているとすると、冬場はその1.2~1.5倍の時間がかかると考えるのが妥当でしょう。
さて、そういった時間を加味したとき、自分の好きなことに使える時間はどの程度残りそうですか?布団には何時に入れそうですか?
「高校の授業が難しくて成績がー」という話は聞きますが、多くの場合、おそらくは授業が難しいというより普段の生活がキャパオーバーしていると考えた方がいいでしょう。
これが通常の毎日の動きで、土曜も日曜も部活で埋まっていて、すでに時間が回せなくなっているとなれば、この生活サイクルの中にさらに「塾通い」や「家庭教師」をねじ込むのは得策とは思えません。
その前に、「ちゃんと眠れてる?」「学校の授業ちゃんと受けられてる?」「学校の課題や予習復習は回せてる?」の方がまずは先です。
進学先の候補として挙がっているところについては、パンフレットを眺めて各学校の特色を知り、いろいろな面で比較をしてみることが事前準備として大切だと思います。
中には魅力的な部活があったり、イベントが見つかったりと、「ここに行きたい!」と思うところもあるでしょう。
でもそこに、『実際の通学にかかる時間』や、『課題や講習で拘束される時間』も判断材料の1つに加えてみることです。
「3年間そこに通い続ける」となった場合、日々の生活を自分の望んだようにできそうかどうかという見通しは、進路選択の上で大きな要素になるように思います。
そういった学校生活を体感する貴重な機会のひとつが、「学校説明会」だったはずなのですがね・・・