公立高入試と内申点

北海道の公立高校入試に密接に関わる内申点について、簡単に確認してみましょう。   

北海道の公立入試の概要については、道コン事務局のサイトに詳しいので、そちらをご確認下さい。
その上で、注意しておくべき点について補足を加えていこうと思います。

内申点について

高校入試において、合否判定の中心になるのは「中学3年間の評定から計算した"内申点"」と「入試当日の点数から計算した"学力点"」の2つです。
"内申点"は、各学年の学年末5段階評定から計算され、計算式は
(1年末評定の合計×2)+(2年末×2)+(3年末×3)
となっています。
これを20点ごとの段階ごとに切ったものが"内申ランク"と呼ばれるものです。

計算上は3学年の成績の比重が多少高めに設定されていますが、見方を変えれば、内申点315点満点のうちの180点分は1・2年生の学習態度や定期試験の結果によって決められてしまうということになります。
「内申点315点+当日の学力点300点のうち、180点は中2終了段階で確定している」わけですから、・・・つまり、「公立入試の1/4以上が、中3春の段階で既に終わってしまっている」とも言えます。
(※私立入試では、専願・単願の合否判定基準や奨学金の審査に内申ランクを用いるため、公立高校以上に内申の比重は高いと言えるでしょう。)

内申ランクの分布

内申ランクは学年末の5段階評定で計算されます。
「5段階評定」というと「"評定3"で平均的」というように感じますが、実際はどのような分布になっているのでしょうか。
道コンの総合資料を元に集計してみたものが次の表です。
これをグラフ化すると次のようになります。
これは、あくまで中3・8月段階での道コン受験者のものでしかありませんが、Dランクが平均になっているのが読み取れます。
「道コン受験者=塾などに通っている生徒が中心」ですから、中学生全体と比べると学力は若干高いと考えられますが、現状、大半の中学生が塾などを利用しているであろうことを考えると、さほどズレはないと判断してもよいでしょう。

また、A,Bランクだけで上位1/4を占めているということも知っておくべきことでしょう。
評定5がつくと「非常に優秀」と考えがちですが、実はさほどハードルは高くないことがわかります。
3年間の評定の大半を5にしなければならないAランクはさすがにそう簡単には行きませんが、評定5,4が混在するB・Cランクは、意外と簡単に取れてしまうのです。
中1段階から塾に通うなどして熱心に勉強している子の場合、「B・Cランクは"普通"、Dランクは"今ひとつ物足りない"」と思った方が良さそうです。

一方、下位の方を見ると、「評定3」でGランクですから、3より下の評定はほとんどついておらず、評定に「3」が付いた時点で、他の子達よりかなり遅れているということになります。

中学校で評定の分布を公表していれば評定を受け取った時点で自分の位置が見えるのでしょうが、多くの場合は非公開のようです。
つまり、ある科目で「評定4だって。頑張ったね!」と思っていると、実はクラスの大半が評定5が付いていた、ということも十分にあり得る話です。

受験先と内申ランク

道内の公立高校では、基本的に『内申点5割・学力点5割』で合否の判定が行われます
中3の12月を目処に各中学校で進路指導を行うわけですが、当日の学力点については見込みがたたないので、多くの場合「君は内申が◯ランクだから、これくらいの高校が妥当かな」というように、おおよそランクごとに受験先が絞られることになります。
シグマゼミ界隈ではこんな感じでしょうか。

さて、「内申ランクをもとに、輪切りのようにして受験先の選定がされる」という前提で考えると、当然ですが入試当日の受験会場には、<ほぼ同じ内申点の受験生>が集まります。
そう考えると、入試当日朝の時点でのそれぞれの受験生の持ち点は、内申点によって多少の差はあるとはいえほぼ同じと考えてよいでしょう。

しかし、この内申ランク、こちらにも書いたように、学校内で定期試験や提出課題などを元につけるため、中学校ごとに評価基準がバラバラです。
定期試験で90点を取っても評定4をつける先生もいれば、70点程度でも課題など高く評価して評定5をつける先生も居ます。
また、その定期試験自体も作成者によってまちまちで、どの問題も簡単であっさりと満点の出るような試験もあれば、一方で平均点が50点にも満たないような試験もあります。
つまり、「私はBランク」と言っても、その中には当日の学力点で裁量問題250点が期待できるBランクの子もいれば、180点すらも危ういBランクの子もいるわけです。
その、当日の得点力の差が、合否に関わってきます。

得点力をどうつけるか

多くの中学生が、道コンに対しても中3の9月から行われる総合A/B/Cに対しても「難しい」と言います。
「難しい」と感じる理由として、「定期試験とは違って出題範囲が広いこと」という試験側の要因に加え、「思考を求める出題にそもそも慣れていない」という本人側の要因があげられます。

国語や英語であれば「自力で長文を読んで問題を解いた経験がほとんどない」、数学では「複雑な方程式や関数の融合問題を読み解いた経験がない」、理科では「教科書以外の未知の実験の問題を見たことがない」、社会でも「時代や地域を横断するような問題を解いた経験がない」などなど。
学校や塾の授業で習った内容が知識としては頭の中にあっても、それを試験の場面で上手く引っ張り出せるかどうかによって試験の点数は変わってきます。
習ったその時点では解けていたものも、それを広い範囲で、習った時点とは違う形で問われたときには、「なにが問われているのか、それ自体が見えない」となるようです。

しかしそれは「定期試験の場合は、範囲が狭く出題が単純だったから慣れていなくても解けた」というだけのことで、「道コンや入試が取り立てて難しい」ということではありません。
むしろ、北海道の入試問題は他の都府県に比べ簡単な部類に入ります。
道コンにせよ入試にせよ、それまでに習ってきた教科書の内容から逸脱するような問題はなく、学んだはずの内容を「定期試験とは違った角度で出題している」に過ぎないのです。

では、この苦手意識を解消するにはどうしたらよいのでしょう。
目先の定期試験のみを追いかけるのではなく、日頃からいろいろな出題に触れておき、ひとつひとつの内容を丁寧にしっかり考えながら身につけていくことだと思います。
地理の統計ひとつ取ってみても、「とにかく覚える」であれもこれも丸ごと覚えようとするのと、「この地方はこういう気候でこういった土壌だから、稲作・畑作には適さないだろうから畜産が多そうだ」という入れ方をするのではまるで違います。
どの分野にも"背景"があるはずで、その背景を知った上で問題に向かうのと、問題だけを眺めるのでは、見え方はまるで違ってくるでしょう。
そういった問題の背景を少しずつ見せ、いずれ遭遇する未知の問題に対しても、どうにかヒントを見出し、丁寧に解きほぐし、解決できる力をつけることが、シグマゼミの指導の目標です。